ナウシカ、セーラームーン、綾波レイ…日本の漫画・アニメには「戦う少女」のイメージが溢れている。筋肉質なアマゾネス系女戦士とは全く異なり、「トラウマ」を持たない可憐で無垢な戦闘美少女。この特殊な存在は、果たして日本文化のみに見られる現象なのか。彼女たち「ファリック・ガールズ」の特性と、それを愛好する「おたく」の心理的特性を、セクシュアリティの視角から徹底的に分析する。
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斎藤/環
1961年生まれ。岩手県出身。筑波大学医学部研究科博士課程修了。医学博士。現職は、爽風会佐々木病院診療部長。専門は思春期・青年期の精神病理学、病跡学、ラカンの精神分析、「ひきこもり」問題の治療・支援ならびに啓蒙活動。漫画・映画等のサブカルチャー愛好家としても知られる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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そこで重要なのは、おたくたちが自らのセクシュアリティを、想像的領域において確保し、十分に機能させることが出来るという点だ。ここではむしろ、性的倒錯はまったく問題とならない。なぜなら想像の領域においては、あらゆる人間が倒錯性たる権利を持つからである。
(おたくは)いまだに「マニア」と同義に用いられることも多い。まだ「宮崎勤事件」以降の使用法としては「自宅にこもっている人付き合いの悪い、暗い(あるいは危ない)人間」というネガティブなイメージのものもある。
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