小田急線・世田谷代田駅から徒歩五分、築ウン十年、安普請極まりない全六室のぼろアパート・木暮荘。現在の住人は四人。一階には、死ぬ前のセックスを果たすために恋を求める老大家・木暮と、ある事情から刹那的な恋にのめり込む女子大生・光子。二階には、光子の日常を覗くことに生き甲斐を見いだすサラリーマン・神崎と、3年前に突然姿を消した恋人を想いながらも半年前に別の男性からの愛を受け入れた繭。その周りには、夫の浮気に悩む花屋の女主人・佐伯や、かつて犯した罪にとらわれつづけるトリマー・美禰、繭を見守る謎の美女・ニジコたちが。一見平穏に見える木暮荘の日常。しかし、一旦「愛」を求めたとき、それぞれが抱える懊悩が痛烈な哀しみとしてにじみ出す。それを和らげ、癒すのは、安普請であるがゆえに感じられる人のぬくもりと、ぼろアパートだからこそ生まれる他人との繋がりだった……。
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三浦紫苑 Miura Shion
1976年生,日本直木奖作家。
著有“真幌站前”系列三部曲、《哪啊哪啊神去村》《强风吹拂》《编舟记》等小说。文风轻快戏谑,善于在温暖故事中蕴含动人情绪,笔下多出现“特殊职业人群”,如便利屋、字典编辑等。
2006年,《真幌站前多田便利屋》获直木奖。
2012年,《编舟记》获书店大奖。
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不过,他也觉得,所谓日常,不就是成立于消极性和自我批评欠缺的基础上,不加深思、随波逐流地度过吗?事到如今才说这是错的,那么到底应该怎样才算对呢?
年轻人真好。总有邂逅。能毫不胆怯地恋爱。谁也不会觉得这有什么奇怪。 被时光抛在背后,渐渐地成为多余的存在。年纪就是这么回事。
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