『インストール』で文藝賞を受賞した綿矢りさの受賞後第1作となる『蹴りたい背中』は、前作同様、思春期の女の子が日常の中で感受する「世界」への違和感を、主人公の内面に沿った一人称の視点で描き出した高校生小説である。
長谷川初実(ハツ)は、陸上部に所属する高校1年生。気の合う者同士でグループを作りお互いに馴染もうとするクラスメートたちに、初実は溶け込むことができないでいた。そんな彼女が、同じくクラスの余り者である、にな川と出会う。彼は、自分が読んでいるファッション雑誌のモデルに、初実が会ったことがあるという話に強い関心を寄せる。にな川の自宅で、初実は中学校時代に奇妙な出会いをした女性がオリチャンという人気モデルであることを知る。にな川はオリチャンにまつわる情報を収集する熱狂的なオリチャンファンであった。
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綿矢りさ
本名山田梨沙。一九八四年生於京都,現就讀早稻田大學教育學部。二○○一年,僅十七歲的綿矢莉莎,即以《Install》一書贏得第38屆『文藝賞』;二○○四年一月,未滿二十歲的她,再以《欠踹的背影》榮獲日本文壇最高榮譽『芥川賞』,是日本有史以來最年輕的『文藝賞』和『芥川賞』得主!容貌清秀、才華橫溢的她,也立即成為備受文壇矚目與讀者關注的話題焦點,是當前最被看好的新世代女作家。《Install未成年載入》深刻地描寫出時下年輕人的微妙心理,由同樣年輕的綿矢莉莎寫來,更具說服力,也因而能夠引發讀者深切的共鳴。
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“长谷川,你向来练习认真,以后会有更大的进步。” 看他说得那么起劲,整颗心不禁要纠结起来。我赶紧撇开视线,眼泪都快掉下来了。老师真的好讨厌哦。 我希望他肯定我,也希望他原谅我。还希望他像把缠绕在梳子上的头发一根根拔除般,也把缠绕在我心中的黑线,用手指一条条揪出来,扔进垃圾桶。 我就是这样,老希望别人来帮我,却想不出任何我可以帮别人做的事。
他不是高兴有女生接近他,而是高兴有人接近他。被人层层围绕,老师就会兴奋得眉飞色舞,显得神采奕奕,而我就会对自己的生存方式越来越没有自信。
收银台的店员发现闪光灯的亮光,疑惑地看着我们。把试吃食品当成早餐的我,跟对着咖啡厅桌椅猛照相的蜷川,谁比较令人困惑呢?我向来很好强,可是,唯独这场竞争,我并不想赢他。
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