「あたし殺されたの。もっと生きていたかったのに」。通り魔に襲われた17歳の女子高生安藤麻衣子。美しく、聡明で、幸せそうに見えた彼女の内面に隠されていた心の闇から紡ぎ出される6つの物語。少女たちの危ういまでに繊細な心のふるえを温かな視線で描く、感動の連作ミステリ。日本推理作家協会賞受賞作。
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あの年頃の女の子たちは、信じられないくらいデリケートで高慢で、脆いんです。ちょうど、お話にあったガラスの麒麟のように。いつも精一杯首を伸ばして、背伸びをして、だからとても不安定で壊れやすくて、いつも何かに迷っているの。
プラスチックの豚でもアルミの河馬でもない、ガラスの麒麟の話
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