売春が公認化され、遊里として復活した吉原でも屈指の大見世・男の廓「花降楼」。女王のように驕慢な美貌を持つ玉芙蓉は、お職を張るほどの売れっ妓でありながら、なぜかろくでなしの客に貢いでは捨てられる日々だった。借金が嵩み、ついに見世の顧問弁護士・上杉の執務室へ呼び出される。「どうしてあなたはそんなに男の趣味が悪いんですか」「もっとましな男って、たとえばあんたみたいのかよ」眼鏡の奥で皮肉に微笑む彼を、意趣返しに誘惑しようとする玉芙蓉だが…。大人気・花降楼シリーズ第六弾。
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