「……僕は大人の女性を愛せません。
僕の好きな人は、大人でも女性でもないんです。」
甥に対する密かな欲望を抱え、妄想に囚われ苦しむ百貨店のエリート外商・久瀬圭祐。欲望がいつか暴走するのではと恐怖し、治療を求めて精神科クリニックを訪れるのだが――。
小学校教師の森下伸春は遠い昔、幼い少女に繰り返し恋をした。そんな自分の嗜好を知りつつも、ある一線を越え欲望を解き放ち、そしてその果てに待っていたものは……。
本能に弄ばれる二人の男と、その周囲の人たちの心の葛藤をリアルに描いた、異色の連作小説。
BL界の巨匠・木原音瀬が挑んだ衝撃作。
著者初の文芸単行本!
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「犯罪に走る者が出てこない限り、誰も僕たちのことを理解しようとはしない。逆に言えば、理解しようとしないから犯罪が起こるんだよ」
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